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補助金
事業を進めていくにあたって必要不可欠となるのが人材の確保です。しかし、人材採用にはさまざまなコストがかかるため、積極的に行動できない企業も多いでしょう。
そこで活用したいのが国や地方公共団体などが実施する補助金や助成金の活用です。特に人材確保に関連した補助金や助成金は数多くあるため、積極的に活用していくことをおすすめします。
今回は、人材確保に活用できる補助金や助成金について、代表的な制度をまとめました。これから人材確保を検討している企業は、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
補助金や助成金は、原則として返済の必要がない支援金のことを言います。補助金の場合は申請をし、採択がされることで支援金を受け取ることができます。
助成金に関しては要件を満たし、申請することで支援金を受け取れるため、補助金よりも複雑な手続きは必要ありません。
そして、人材確保に使える制度としては、そのほとんどが助成金です。要件を満たしていれば受け取れる支援金が多いため、人材確保を検討されている企業はぜひご活用ください。
人材確保に使える代表的な補助金や助成金について紹介します。種類は幅広くあり、同じ助成金であってもコースが複数用意されていたり、条件や支給額が異なったりするため、興味のある補助金や助成金が見つかったら公式サイトで詳細な情報をご確認ください。
ここでは2023年度版最新の人材確保に活用できる代表的な補助金・助成金についてまとめましたので参考にしてみてください。
中途採用等支援助成金は、中途採用の拡大を図る事業者に対して助成する制度です。近年は新卒の人材確保が難しくなっていると言われていますので、中途採用を強化する企業が増えています。そのため、今後は中途採用に力を入れたい企業はぜひ活用について検討してみてください。
中途採用等支援助成金には、中途採用率を一定以上増加させた場合に活用できる「中途採用拡大コース」と東京圏から移住者を雇った場合に活用できる「UIJターンコース」の2種類があります。対象者や助成額はそれぞれ異なりますので、具体的には下記の表をご覧ください。
コース名 | 対象事業者 | 助成額 |
中途採用拡大コース | 中途採用者の雇用管理制度を整備した上で中途採用の拡大を図る事業主 | 中途採用率の拡大をした事業者:50万円 45歳以上の中途採用率の拡大:100万円 |
UIJターンコース | 東京圏からの移住者を雇い入れた事業主 | 上限100万円まで |
さらに詳しい支給要件や条件については厚生労働省公式サイトよりご確認ください。
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース):
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html
中途採用等支援助成金(UIJターンコース):
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805_00002.html
トライアル雇用助成金は、特定の求職者を試行的に雇い入れる際に活用できる制度です。求職者の適正や業務遂行の可能性を事業者が見極め、求職者の相互理解を促進することを通じて、その早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としている助成金となります。
トライアル雇用助成金にはさまざまなコースが設けられています。コース内容によって条件や助成額が異なりますので、詳しくは下記の表をご覧ください。
コース名 | 対象事業者 | 助成額 |
一般トライアルコース | 職業経験の不足などから就職が困難な求職者を試行的に雇用した事業者 | 支給対象者1人あたり:月額4万円 |
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース | 障害者を試行的・段階的に雇用した事業者 | ・対象労働者が精神障害者の場合:月額最大8万円を3ヶ月、月額最大4万円を3ヶ月 ・対象労働者が精神障害者以外の場合:月額最大4万円 |
新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース | 就労経験のない職業に就くことを希望する者を試行的に雇用した事業者 | ・新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース1人につき:月額4万円 ・新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコースは1人あたり:月額2万5千円 |
若年・女性建設労働者トライアルコース | 建設業の中小事業主が若年者(35歳未満)又は女性を建設技能労働者等として試行雇用した事業者 | 1事業者年度あたり:上限60万円 |
さらに詳しい支給要件や条件については、下記厚生労働省公式サイトよりご確認ください。
一般トライアルコース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html
新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_16286.html
若年・女性建設労働者トライアルコース:
特定求職者雇用開発助成金は、特定の事情等により就職が困難となっている人を雇用する際に活用できる助成金です。具体的には障害者、高齢者、母子家庭の母などを雇用した場合に事業主に対して支給されます。
特定求職者雇用開発助成金には幅広いコースが設置されており、雇い入れる人のタイプによって支給額も異なります。また、令和5年度からはいくつか見直されたポイントがあり、以前まで申請できた「生涯現役コース」と「被災者雇用開発コース」については廃止されました。
その他にもいくつか変更点がありましたので、最新の内容は下記の表をご覧ください。
コース名 | 対象事業者 | 助成額 |
成長分野等人材確保・育成コース | 専門職業に従事する方を雇い入れた事業主(プログラマー、システムエンジニア等) | 雇い入れる人のタイプによって60〜360万円まで支給 |
特定就職困難者コース | 高年齢者・障害者・母子家庭の母などを雇い入れた事業主 | 雇い入れる人のタイプによって40〜240万円まで支給 |
就職氷河期世代安定雇用実現コース | 正規雇用の機会を逃したことにより十分なキャリアを形成できず、正規雇用に就くことが困難となった者を雇い入れた事業主 | 雇い入れる人のタイプによって60〜360万円まで支給 |
その他の詳しい条件や支給額については、厚生労働省公式サイトをご覧ください。
成長分野等人材確保・育成コース:
特定就職困難者コース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html
就職氷河期世代安定雇用実現コース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158169_00001.html
人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業者に対し助成してくれる制度です。魅力ある雇用創出を図ることで、人材の確保と定着を目的として創設されました。
人材確保等支援助成金は注目されている制度の一つですが、いくつか変更点があります。以前まで「雇用管理制度助成コース(建設分野)」「介護・保育雇用管理制度助成コース」「設備改善等支援コース」「働き方改革支援コース」の申請が可能でしたが、現在までにこれらのコースは廃止されています。
人材確保等支援助成金では、現在7つのコースが設置されています。それぞれ条件や支給額について異なりますので、詳しい内容は下記の表をご覧ください。
コース名 | 対象事業者 | 助成額 |
介護福祉機器助成コース | 介護士の負担を軽減するため、新たな介護福祉機器の導入等を通じ、従業員の離職率の低下に取り組む事業者 | 上限150万円まで |
中小企業団体助成コース | 改善計画の認定を受けた中小企業団体が構成中小企業者のために、人材確保や従業員の職場定着を支援するための事業を行なった場合 | 上限額は団体の規模に応じて600〜1,000万円まで |
建設キャリアアップシステム等普及促進コース | 中小構成員等に対し、建設キャリアアップシステムの事業者登録、技能者登録、能力評価または見える化評価の登録費用の全部または一部を補助する事業等 | 【1団体につき1事業年度の上限額】 全国団体:3,000万円 都道府県団体:2,000万円 地域団体:1,000万円 |
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野) | 若年および女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を行った建設事業主 | 【1団体につき1事業年度の上限額】 全国団体:3,000万円 都道府県団体:2,000万円 地域団体:1,000万円 |
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野) | 建設労働者の雇用の改善や建設労働者の技能の向上等をはかるための取り組みを行なった建設事業主 | 1事業年度あたり:上限200万円 |
外国人労働者就労環境整備助成コース | 外国人労働者の職場定着に取り組む事業主 | 上限57万円(生産性要件を満たした場合は上限72万円) |
テレワークコース | テレワーク制度の実施により、労働者の人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業等 | 機器等導入助成:1企業あたり、支給対象となる経費の30%を支給 目標達成助成:企業あたり、支給対象となる経費の30% |
各コースの詳細については、下記厚生労働省公式サイトから確認できますので、併せてご覧ください。
介護福祉機器助成コース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199292_00006.html
中小企業団体助成コース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199317.html
建設キャリアアップシステム等普及促進コース:
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野):
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野):
外国人労働者就労環境整備助成コース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/gaikokujin.html
テレワークコース:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/telework_zyosei_R3.html
今回は人材確保等に活用できる代表的な補助金・助成金についてまとめました。特に人材確保や採用の部分で幅広い助成金を取り扱っているのが厚生労働省です。
厚生労働省では今回紹介した助成金以外にも幅広く取り扱っていますので、人材確保に活用できる助成金をお探しの事業者は、公式サイトなども定期的にチェックしてみてください。
助成金は活用することによって人材確保に要する費用を大幅に抑えることが可能です。特に雇用を考えているけど人件費の部分でお困りの事業者は、ぜひ助成金や補助金の活用についても検討してみてください。