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【目次】
補助金にはさまざまな種類がありますが、近年ではさらに中小企業等を支援するための補助制度がたくさんあります。
その中でも注目されている補助金の一つに「ものづくり補助金」があります。幅広い業種が対象となっており、補助額も大きいことから特に人気を集めているのです。
実際にこれからものづくり補助金の活用を検討している事業者は多いかと思いますが、申請するにあたって頭を悩ませるのが要件を満たせるかどうかではないでしょうか。
ものづくり補助金の要件はいくつか設定されていますが、その中でも今回は「給与支給総額」について紹介します。
ものづくり補助金における給与支給総額とは何か、人件費との違いについて詳しく解説しますので、これから申請を検討している事業者は参考にしてみてください。
弊社では補助金の申請サポートを行っています。初回相談は無料ですので、是非お気軽にお問い合わせください。
ものづくり補助金の賃上げ要件の中には、「事業者の給与支給総額を年率1.5%以上に増加する必要がある」という項目があります。
これらを達成することが条件となりますが、そもそもものづくり補助金における給与支給総額はどのような項目を指すのでしょうか。
具体的に公募要領を確認してみると、下記のような記載がされています。
「給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)および役員に支払った給与等のこと言います。」
上記が公募要領に記載されている内容ですが、そこからさらに細かく絞っていくと、給与支給総額とは下記の項目が当てはまります。
ものづくり補助金における給与支給総額の項目 | 従業員給料 |
従業員賃金(売上原価に含まれる労務費のうち、福利厚生費や退職金は除く) | |
各種手当(残業手当、通勤手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、住宅手当等) | |
従業員への賞与 | |
役員報酬 | |
役員賞与 |
ここまでものづくり補助金における給与支給総額について紹介しましたが、申請を検討している方の中には人件費と同じと考えてしまうケースもあるでしょう。
しかし、人件費とはものづくり補助金の公募要領において下記のように記載されています。
1. 人件費は売上原価に含まれる労務費(福利厚生や退職金等を含んだもの)
2. 一般管理費に含まれる役員給与、従業員給与、賞与および給与手当繰入れ、福利厚生、退職金および退職給与引当金繰入れ
3. 派遣労働者、短時間労働者の給与を外注で処理した場合の費用
上記を見てもわかる通り、人件費には給与支給総額には含まれていなかった福利厚生費や退職金が含まれています。
そのため、2つの違いとしては「福利厚生費や退職金が含まれるかどうか」という点で異なることがわかります。
人件費も給与支給総額も給料・賃金・賞与などが含まれる点は同じですが、福利厚生費・退職金などは人件費には含まれますが、給与支給総額には含まれません。
それぞれの違いについても理解していただけたかと思いますが、さらにわかりやすくした表を下記で紹介しますので、給与支給総額と人件費の違いについて把握したい方は参考にしてください。
比較項目 | 給与支給総額 | 人件費 |
従業員給料 | ○ | ○ |
従業員賃金(売上原価に含まれる労務費のうち、福利厚生費や退職金は除く) | ○ | ○ |
各種手当(残業手当、通勤手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、住宅手当等) | ○ | ○ |
従業員への賞与 | ○ | ○ |
役員報酬 | ○ | ○ |
役員賞与 | ○ | ○ |
売上原価に含まれる福利厚生費・退職金 | × | ○ |
福利厚生費 | × | ○ |
法定福利費 | × | ○ |
退職手当 | × | ○ |
退職金および退職給与引当金繰入れ | × | ○ |
ものづくり補助金の申請をするにあたって把握しておきたいポイントとなりますので、公募要領などはしっかりと熟読しておきましょう。
ものづくり補助金の要件の一つである給与支給総額1.5%以上増加の目標は、必ず達成する必要があります。では、万が一達成できなかった場合にはどうなるでしょうか。
具体的に公募要領では下記のように記載されています。
・事業計画終了時点において、給与支給総額の年率1.5%以上増加目標が未達の場合は、導入した設備等の簿価または時価のいずれか低い方の額のうち、補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還を求めます。
・ただし、付加価値額が目標通りに伸びないケースでは、給与支給総額の目標を達成することが困難です。そのため、この場合は給与支給総額の年率増加率平均が「付加価値額の年率増加率平均/2」を超えている場合や、天災など事業者の責任を問わない理由がある場合は返還を求めません。
・また、給与支給総額を用いることが適切でないとされる特別な事情があるケースでは、給与支給総額増加率に代え、一人あたり賃金の増加率を用いることを認めます。
上記3つのリストに公募要領に記載されている内容を紹介しましたが、その中の1つ目のリストに記載されている内容のケースについては、原則として補助金の返還をしなければなりません。
しかし、リスト2の項目にもある通り、付加価値額が目標通りに伸びない場合や、天災など事業者の責任ではない場合には返還が求められないケースもあります。
補助金は、採択後も実績報告などの書類手続きが必要になります。採択後の手続きについてはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
ものづくり補助金は、公募要領など複雑な点が多いものの、採択がされれば大きな資金を確保でき、新たな事業に活用しやすいといったメリットがあります。
しかし、その資金が利用できるようになるのは採択された後であり、まずは採択されるための事業計画書の作成から申請までを慎重に進めることが大切になります。
この見出しでは、ものづくり補助金で不採択にならないための注意事項について紹介するので参考にしてみてください。
ものづくり補助金には、対象者や対象事業などの要件が明確に記載されています。そのため、そもそも要件を満たしていないと採択されることはありません。特にものづくり補助金においては「革新的サービス開発」や「生産プロセスの改善」などが重要になりますので、それらの要件を満たしているか確認しましょう。
また、今回の記事で紹介している「給与支給総額の年率1.5%増加」や「付加価値額を年率3%増加」「事業場内最低賃金を+30円増加」も要件に含まれています。
応募するすべての事業者が対象となりますので、事業者は要件を確認し、達成すべき目標金額を計算することが大切です。
ものづくり補助金の要件や公募要領は一つでも満たしていなかったり確認していなかったりすると不採択となるケースが多くなりますので、申請前には必ず確認しておくようにしましょう。
ものづくり補助金で採択されるポイントについては下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
ものづくり補助金は、1,000万円ほどの高額な資金を確保できるなど魅力的な制度の一つです。大きな資金を確保できる可能性があるため、申請者の中にはせっかくなら上限となる1,500万円までの設備投資計画をしようと検討する方も少なくありません。
しかし、それが適正であれば問題ありませんが、無理のある設備投資計画であれば適切でないと判断されて不採択となるケースが多くなります。
そのため、できるだけ多くの補助金を受け取りたいという気持ちは抑え、現実的で適切な経営計画となるよう仕上げることが採択されるためには大切です。
ものづくり補助金では、あらかじめ審査項目が公開されています。審査項目は申請書を事務局へ提出した後、審査員がその項目を見て審査を実施するためにあるものです。つまり、審査項目にしっかりと沿った申請書であれば評価も高くなるため、採択される可能性が高まります。
しかし、審査項目に沿っていない申請書の提出してしまった場合、評価できるポイントも少なくなるため採択される確率は大きく下がってしまいます。
申請書には審査項目の内容をすべて記載することが最低限必要と言われているため、申請書を提出する前には必ず確認しておくことが大切です。
ものづくり補助金はさまざまな業種で活用できる魅力的な制度ですが、なぜ活用するのかその理由を慎重に考えないと事業計画書を完璧に仕上げても不採択となるケースがあります。
基本的にものづくり補助金では、「革新的サービスや生産プロセスの改善」が可能になる設備の導入であれば認められます。
しかし、今使用している設備が古くなっているから新しい設備に入れ替えたいといった理由では採択される可能性は低いでしょう。
また、特に最近ではものづくり補助金が創設された時と比べても申請する事業者が増えています。つまり、採択競争が激化しているため、どのような目的で補助金を活用するのか慎重に考えないと簡単には採択されません。
ものづくり補助金の公式サイトには、過去の採択事例なども数多く掲載されています。そのため、事業者が検討している事業内容で採択事例があるのかなど、事前にチェックしながら慎重に決めることをおすすめします。
今回は、ものづくり補助金の要件の一つでもある「給与支給総額」について詳しく紹介しました。補助金を活用するためには給与支給総額の年率1.5%増加が必要となりますが、それらの計算をするにあたって人件費と何が違うのかなど混乱してしまう方も少なくありません。
この記事でも紹介しましたが、給与支給総額と人件費の違いは「福利厚生費や退職金等」を含んでいるかです。これらの違いを把握しておくと申請時にも迷うことなく申請することができるでしょう。
また、ものづくり補助金を申請するにあたって採択されにくい事例なども紹介しました。注意点はいくつかあるので、これから申請する事業者は採択されるためにも不採択事例などを事前に確認しておくことをおすすめします。
ものづくり補助金は採択がされれば中小企業にとって大きな支援を受けられることとなりますので、新たな事業の資金調達で悩まれている企業は活用について検討してはいかがでしょうか。
補助金オフィスでは、ものづくり補助金や事業再構築補助金などの申請サポートを行っています。累計100件以上の採択実績と90%以上の採択率があります。事前準備から補助金交付後の報告書まで一気通貫で素早く確実にサポートさせて頂いております。詳しいサービス内容につきましてはこちらをご覧ください。
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