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2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式として「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)が始まりました。
簡単に言えば消費税の控除に関して大きな変更がされたというものですが、制度開始から3年がたった今も、対応に悩んでいる事業者は少なくありません。
今回の記事では、具体的にインボイス制度の概要からポイント、企業が対応すべきことなどを徹底解説します。
また、インボイス制度への対応に活用できる2026年の補助金についても紹介するので、なにか活用できる補助金がないか探している方は参考にしてみてください。

参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm
インボイス制度とは、取引内容や消費税率、消費税額など記載要件を満たした請求書などを発行・保存しておくという制度です。インボイスを保存しておくとどうなるかというと、仕入れ側は消費税の仕入税額控除を受けることが可能になります。
これらのことから、インボイスとは「適格請求書」のことを言い、「インボイス制度」は適格請求書保存方式のことです。
制度開始前は「区分記載請求書」が使用されていましたが、インボイス制度の導入により、区分記載請求書に明記していた内容にさらに項目が追加されました。
具体的には「登録番号」「適用税率」「消費税額等」が追加されますので、インボイス制度の対象となる事業者はしっかりと把握しておきましょう。

インボイス制度は2023年10月1日に始まりましたが、具体的にどのような事業者が対象となるのでしょうか。また、制度の導入でどのような影響が出ているのでしょうか。
ここではインボイス制度で何が変わるのか具体的に紹介するので参考にしてみてください。
インボイス制度の対象事業者となるのは、主に「消費税の課税事業者」です。そもそも消費税はある一定の条件を超えていないと支払う義務がありませんので、インボイス制度対応への準備をする前に、まずは対象事業者であるかどうかをチェックしましょう。
消費税の課税事業者とは、具体的に下記4つに当てはまる事業者が対象です。
・課税売上1,000万円を超えている事業者
・設立から2年以内の資本金1,000万円以上の事業者
・事業年度開始の日から6ヶ月間の特定期間の売上または支払い給与等が1,000万円を超えた事業者
・資本金1,000万円未満で設立2年以内であっても売上5億円を超える特定の企業が50%以上の株式を取得して実質的に支配している事業者
インボイス制度の導入によって最も影響を受けたのが消費税です。2023年9月30日まではインボイスがなくても消費税の仕入税額控除が受けられましたが、2023年10月1日以降は、原則としてインボイスの保存がない仕入れについて仕入税額控除を受けられなくなりました。なお、免税事業者からの仕入れについては一定期間の経過措置が設けられています。経過措置の割合や期間は税制改正で見直されることがあるため、国税庁の最新情報を確認してください。
特に消費税の課税事業者は、取引先からインボイスの発行を求められることが多いため、まだ対応が不十分な場合は早めに体制を整えることが大切です。
インボイス制度は課税事業者であれば対応しなければいけない制度の一つですが、課税事業者といってもさまざまな職種があり、中にはインボイスの保存ができない業種もあるでしょう。この場合について、下記のケースでは一定の事項を記載した帳簿の保存のみでも仕入税額控除を受けられます。
・3万円未満の公共交通機関による旅客運送
・古物営業(例えば質屋や中古車販売など)
・宅地建物取引業者を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物購入
・郵便切手類のみを対価とする郵便、貨物サービス
・自動販売機や自動サービス機などからの商品購入
上記の場合は、インボイス制度の義務が免除されますので、一定の要件を満たした帳簿の保存のみで問題ありません。
インボイス制度を必ず守らなければならないのは課税事業者となりますが、免税事業者は何も対応しなくてもいいかというと、場合によっては対応しなければならないのです。
具体的に免税事業者がインボイス制度に対応していないとどうなるかですが、課税事業者との取引をしてもらえない事態になる可能性もあります。
理由としては、課税事業者はインボイスに対応した請求書の発行や保存をしなければなりませんが、免税事業者はインボイス発行事業者になれないため、対応した請求書の発行ができません。
つまり、課税事業者にとっては適格請求書の発行をしてもらえないと仕入額控除を受けられないこととなりますので、「自分たちにとって不利となる免税事業者との取引は避けよう」という動きが高まる可能性もあると言われているのです。
また、取引は続けられたとしても消費税に当たる分の金額を値引きするよう要求される事も考えられます。
そのため、免税事業者である場合には、事業を進めるにあたってどちらがメリットとなるのか考えながら対応をしていく必要があります。

インボイス制度がどのようなものかについてここまで紹介しましたが、まだ対応が済んでいない企業は、どのような点に取り組むべきなのでしょうか。
ここでは対応へ向けた準備について詳しく紹介するので参考にしてみてください。
まずやっておくべきこととしては、税務署に適格請求書発行事業者の登録申請をすることです。
基本的に登録を受けていないと適格請求書を発行することができません。取引先からインボイスを求められてから慌てないよう、登録申請は早めに済ませておくことがポイントです。
免税事業者については、まず課税事業者になるかどうかの検討をし、今後課税事業者として事業を進めていくなら同時に登録申請も済ませておきましょう。
課税事業者は、必ずインボイスへの対応が必要になるため、やるべきこととしては大きく分けて2つあります。
1つ目はインボイスに対応したレジの導入です。特に区分記載請求書のみしか発行できないものに関しては、インボイス制度に対応できません。対応しているレジに買い替えたり、改修したりする必要があるため、事前に済ませておくことをおすすめします。
2つ目は受発注システムや請求書管理システムの導入です。現在すでに導入している場合でも、インボイス制度に対応しているかを確認し、対応していなければ買い替えや改修が必要になります。
このように、大きく分けると2つの項目があり、これらにはコストもかかるため、補助金などをうまく活用しながら導入することで負担を大きく軽減させることができるでしょう。

2026年9月時点でも、インボイス制度への対応を支援する補助金があります。システム導入などコストに不安を抱えている事業者はぜひご活用ください。
ここでは具体的にインボイス制度への対応に活用できる補助金を紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営計画を作成して取り組む販路開拓等を支援するために創設された制度です。
以前は「インボイス枠」という申請枠がありましたが、現在は「インボイス特例」として補助上限額が上乗せされる仕組みになっています。免税事業者からインボイス発行事業者に転換した事業者などが対象で、詳しい要件は公募要領で確認が必要です。
2026年9月時点で公募要領が公開されている一般型 通常枠(第20回)では、補助上限額50万円にインボイス特例で50万円が上乗せされ、最大100万円になります。賃金引上げ特例と併用すると最大250万円です。補助率は2/3で、申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00です。
そのため、特に免税事業者から課税事業者へ転換した人や、転換を検討している人にとっておすすめの補助金なのでぜひ活用について検討してみてください。
IT導入補助金は、中小企業等が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援するために創設された補助制度で、2026年から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。
デジタル化・AI導入補助金2026には「インボイス枠」があり、インボイス対応類型では会計・受発注・決済ソフトの導入に対して、補助額50万円以下の部分は中小企業3/4以内・小規模事業者4/5以内、50万円超〜350万円の部分は2/3以内が補助されます。PC・タブレット等(補助率1/2以内、10万円以下)やレジ・券売機等(1/2以内、20万円以下)も対象です。
また、インボイス制度に対応した受発注システムを導入する「電子取引類型」もあり、補助上限は350万円、補助率は中小企業・小規模事業者等2/3以内です。締切は5次が2026年9月29日17:00、6次が10月30日17:00、7次が12月1日17:00です。
そのため、特にインボイス対応のITツールの導入を検討している企業にとっておすすめの補助金です。ITツールの導入には大きなコストがかかるため、少しでも負担を抑えたいならデジタル化・AI導入補助金の活用についても検討してみてください。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)に関しては以下の記事も参考にしてみてください。
※本記事の制度情報は2026年9月時点の公式情報に基づいています。最新の公募要領は各公式サイトでご確認ください。
今回はインボイス制度とはどういったものなのか解説しました。2023年10月1日から始まった制度で、それまでとは大きく異なり、対応しなければならないこともたくさんあります。
まだ対応が不十分な場合は、取引先との関係にも影響しかねないため、早めに準備を進めることをおすすめします。
また、免税事業者にとっても今後課税事業者になるかどうか検討すべきポイントでもあるため、今進めている事業にとってどちらがメリットかあらかじめ考えておくことが重要です。
インボイス制度への対応にはこれまでと変えなければならない部分も多くなるため、大幅なコストがかかると言われています。
なるべく負担を抑えながらインボイス制度へ対応したい事業者も多いと思うので、今回紹介した「小規模事業者持続化補助金」や「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」の利用についても検討してみてください。
補助金オフィスでは、補助金の申請サポート業務を行っています。補助金に関してお困りのことなどがあれば、お気軽にお問い合わせください。