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令和3年11月19日に新たな経済対策が閣議決定され、子育て世代や若者夫婦の省エネ住宅の取得の支援を実施することが決まりました。
この政策には、子育て世代や若者夫婦が住居にかかる費用の負担を軽減させることや、住宅分野の脱炭素を推進することを目的としています。
そして令和3年度補正予算案として「こどもみらい住宅支援事業」が閣議決定され、令和3年11月26日の契約から活用できるようになっています。
この記事では、具体的にこどもみらい住宅支援事業とはどういった補助金なのかについて紹介し、補助金の対象となる部分の説明も詳しく行いますのでぜひ参考にしてみてください。
こどもみらい住宅支援事業とは、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、子育てを行う世帯や、若者夫婦による高い省エネ性能を持つ新築住宅の取得やリフォームに対して補助することを目的とした政策です。
環境問題の改善化に向けた政策となっていますが、補助金が交付されることにより従来よりも住宅購入やリフォームを安く実現することが可能になります。そのため、費用の負担軽減にもつながるなど、活用することで大きなメリットが得られます。
こどもみらい住宅支援事業には、子育て世代と若者夫婦が省エネ性能を有する住宅購入やリフォームの際に交付される補助金になります。この中のポイントとしては、子育て世代と若者夫婦が対象ということです。
では、具体的に子育て世代とはどういった世帯のことを指すのかというと、18歳未満の子を有する世帯になります。また、若者夫婦は夫婦いずれかが39歳以下の世帯が対象です。
これらのことから、子育て世代のみならず年齢制限も39歳と比較的幅広く対象としているため、住宅購入やリフォームを検討されている世帯は活用を検討してみてください。
また、こどもみらい住宅支援事業は、子育て世代や若者夫婦が申請を行うものではありません。対象は高い省エネ性能を有する住宅の新築や一定のリフォームを行う事業者です。
補助金を受け取るためには事業者が申請する必要があるので、忘れずに行いましょう。
こどもみらい住宅支援事業には、大きく分けて3種類のタイプがあり「注文住宅の新築」と「新築分譲住宅の購入」、「リフォーム」で活用することができます。
それぞれのタイプで要件や対象、補助額などが異なりますので、詳しくは下記で紹介していきます。
注文住宅の新築は、高い省エネ性能のある建築を行う際に、性能に応じた金額を補助するというものです。具体的な要件の詳細や補助額についてここでは紹介します。
対象者は大きく分けて2つの要件を満たした場合のみ適用されます。
① 子育て世代、若者夫婦であることが条件
・子育て世帯は、申請を行うタイミングで2003年4月2日以降に出生した子どもがいる家庭であること
・若者夫婦の世帯は、申請を行うタイミングまでに夫婦になっていることが条件となり、夫婦のどちらかが1981年4月2日以降に生まれた世帯であること
② こどもみらい住宅事業者と工事請負契約を結んで注文住宅を建てることが条件
・こどもみらい住宅事業者は、購入者に代わって申請の手続きを代行し、消費者に還元する者として事業登録をした住宅事業者であること
これらのように、上記の2項目を満たした際に対象となり、満たしていない場合は対象外となります。
対象者となった場合には申請を行うことができますが、支援をしてもらうためには対象の注文住宅でなくてはなりません。ここでは具体的に対象となる注文住宅について下記で説明します。
① 所有者が住居する注文住宅であること
② 土砂災害防止法で定められた土砂災害特別警戒地域外の立地に建てることが条件
③ 完了検査済証により未完成または完成から1年以内である注文住宅であること
④ 住戸の床面積が50㎡以上であることが条件となり、階段下のトイレや収納などの面積を含めます。なお、吹き抜けやバルコニー、メーターボックスなどは除いて計算された面積です。
⑤ 証明書により、下記のいずれかに該当していることが確認できることが条件
・ZEH住宅
・高い省エネ性能がある住宅であること(認定長期優良住宅や認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅)
・一定の省エネ性能を持っている住宅(断熱等性能等級4かつ一時エネルギー消費量等級4の性能を持つ住宅)
⑥ 交付申請を行う際、一定以上の出来高を確認できる工事が完了されていること。確認方法は下記の2点で行われます。
・基礎工事が完了しているか
・省エネ性能を持つ住宅であることが証明されているか
これらのように、上記の6つの項目に当てはまっている注文住宅でないと申請することができません。そのため、これから補助金対象の注文住宅を建てようと考えている事業者は、必ず①〜⑥の要件は満たすよう事前の確認は忘れないようにしましょう。
注文住宅の新築の補助期間は、どこからどこまでが対象となるのかについても紹介します。
注文住宅の新築の場合、工事請負契約の期間が2021年11月26日から建築着工までとなります。
建築着工の期間に関しては、こどもみらい住宅事業者としての事業登録以降です。
基礎工事の完了は建築着工から交付申請まで遅くとも2022年10月31日までに完了しておく必要があります。
このように、対象となる期間も定められていますので、事前の確認は忘れないようにしましょう。
こどもみらい住宅事業者の補助額は、住宅の性能に応じて変わります。詳しくは下記の表をご覧ください。
ZEH住宅 | 100万円 |
高い省エネ性能を持つ住宅 | 80万円 |
一定の省エネ性能を持つ住宅 | 60万円 |
新築分譲住宅を購入する場合は、交付申請の手続きや消費者への還元などを販売事業者が実施する必要があります。購入者が申請を行うことはできませんので、補助金を受け取る場合には販売事業者が手続きを行っていることが条件となります。
新築分譲住宅の対象者は、①と②の2つの条件がありますが、①の子育て世帯または若者夫婦世帯であることは注文住宅と同じ条件です。異なる点は②の部分となり、詳しくは下記に記載しておりますので、参考にしてみてください。
② こどもみらい住宅事業者と不動産売買契約を結び、新築分譲住宅を購入・所有する方
・消費者による申請手続きは不要となり、販売事業者手続きの代行を行います。また、こどもみらい住宅事業の事業登録を行った宅地建物取引業の免許を持つ事業者からの購入が対象となります。それ以外は対象外です。
注文住宅の新築の部分で紹介した①〜⑥までの項目がありますが、新築分譲住宅の対象に関しても条件はほぼ同じです。多少異なる点としては③の部分のみとなっております。そちらは下記の記載をチェックしてみてください。
③ 不動産売買契約締結時点において、未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの
新築分譲住宅の建築着工期間は、こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降となります。
不動産売買契約の期間については、2021年11月26日から交付申請まで遅くとも2022年10月31日までに行ってください。
また、基礎工事の完了は建築着工から交付申請まで、こちらも遅くても2022年10月31日までに行う必要があります。
新築分譲住宅の補助額は、注文住宅の購入と同じです。下記の表のように、住宅の性能に応じて補助額が決定します。
ZEH住宅 | 100万円 |
高い省エネ性能を持つ住宅 | 80万円 |
一定の省エネ性能を持つ住宅 | 60万円 |
リフォームでは、あらかじめ対象となる工事が決まっており、そのリフォームを行った場合のみ補助金の申請を行うことができます。なお、申請の手続きの代行や、消費者への補助金の還元は施工業者が行います。工事発注者は申請手続きを行うことができないので注意しましょう。
リフォームで補助金を受け取る場合、①から②の項目に該当している方が対象です。詳しい内容は下記で紹介するので参考にしてみてください。
① こどもみらい住宅事業に事業登録をした者と工事請負契約を結び、リフォーム工事を行った方
② リフォームを行う住宅の所有者でなくてはならない(所有者とは、その住宅に住む家族や、賃借人または労働組合などに当てはまる方のことを言います。)
上記2項目に当てはまる方のみ対象となりますが、工事請負契約などが結ばれていないケースでは対象外となるため注意しましょう。
リフォームで対象となる工事は、全てが当てはまるわけではありません。必須となる工事は下記の3つのみとなり、その場合に補助金を受け取ることができます。
① 開口部の断熱改修
② 外壁や屋根、天井、床の断熱改修
③ エコ住宅設備を設置する工事
また、上記の①〜③と同時に工事を行うと対象となるリフォームもあります。大きく分けて5つの工事が対象となるので下記を確認してみてください。
① 子育て対応改修
・家庭の負担を軽減できる設備に限ります。具体的にはビルトイン食洗機、清掃しやすいレンジフード、ビルトイン自動調理対応コンロ、浴室乾燥機、宅配ボックスの設置など、子育て中に負担を軽減するためのリフォームは対象となるため、必須工事を行う方はこれらのリフォームも同時に行うことがおすすめです。
② 耐震改修
・旧耐震基準により建てられた住宅を、現行の基準にリフォームする場合は対象となります。
③ バリアフリー改修
・主に手すりの設置や段差解消、廊下幅の拡張、エレベーターの設置、衝撃緩和のための畳の設置などが対象です。
④ 空気清浄機能や換気機能のあるエアコンの設置
⑤ リフォーム瑕疵保険等への加入
対象となる期間は、工事請負契約の期間が2021年11月26日から着工までです。
着工の期間は、こどもみらい住宅事業者の登録以降となります。
リフォームの補助額の上限は、原則として1戸あたり30万円となっています。しかし、子育て世帯や若者夫婦世帯に該当する方や、工事発注者が自ら住居するためにリフォームしたケースでは補助額の引き上げが行われます。
具体的な補助額は下記の表に詳しく記載しているので、参考にしてみてください。
子育て世帯・若者夫婦世帯 | 既存住宅の購入 | 1戸あたりの上限補助額 |
該当する | 該当する | 60万円 |
該当する | 該当しない | 45万円 |
該当しない | 該当する | 45万円 |
該当しない | 該当しない | 30万円 |
今回の記事では、それぞれの事業タイプの説明を行いました。それぞれ申請者が異なりますので、まずは事業タイプによって申請しなければならない事業者について下記をチェックしてみてください。
補助事業のタイプ | 申請する事業者 | 共同事業者 |
注文住宅の新築 | 施工業者 | 建築主 |
新築分譲住宅 | 販売事業者 | 購入者 |
リフォーム | 施工業者 | 工事発注者 |
上記のように、補助事業タイプによって申請者や共同事業者は異なりますので、申請前に確認してください。
申請から交付までの流れは補助事業タイプによって変わります。下記で流れの詳細が記載された画像がありますので、そちらを参考にしてみてください。
① 注文住宅の新築
引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001447800.pdf
② 新築分譲住宅の購入
引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001447800.pdf
③ リフォーム
引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001447800.pdf
以上がこどもみらい住宅支援事業についての記事となります。国土交通省が所管する補助金は他にも多くあり、こちらにまとめてありますので併せてご覧ください。
(URL)※当サイトコラムリンク
今回はこどもみらい住宅支援事業について、基礎知識から事業タイプ別にそれぞれの条件や対象者について紹介しました。
近年では子育て世帯に限らず、若者夫婦が新築住宅を購入するケースが増えています。こどもみらい住宅支援事業はこのような人たちを支援するための補助金となっているため、少しでも安く住宅を提供したいと考えている事業者は申請について検討してみてください。
また、補助金には申請期限などもございますので、できる限り早めの行動をおすすめします。申請について何かお困りごとがございましたら、補助金オフィスでも相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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