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令和4年7月15日から東京都が実施している中小企業デジタルツール導入促進支援事業の申請受け付けが開始されました。
デジタルツールの導入を検討している企業が、活用することによって負担を少なく導入ができるといったメリットがあるので、都内の事業者はできる限り活用したほうがいい支援制度です。
今回は、これから申請を検討している中小企業者のために、概要から申請完了後の流れまで詳しく解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
都内の中小企業者向けに実施されている「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」は、デジタルツールの新たな導入にかかる経費の一部を支援してもらえる助成制度です。
事業活動のデジタル化の促進を図ることによって、継続的な成長や発展を支援することを目的としています。
ここからは、「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」の申請を行うにあたって知っておきたい概要について詳しく紹介します。
申請要件や助成額、対象経費など詳細な情報を紹介していくので、申請を検討されている方は参考にしてみてください。
まず、大前提として知っておかなければならないのが、必ずしも申請対象者になるとは限らないことです。
中には申請できない事業者も存在していますので、ここでは申請対象者を知るための確認フローチャートについてご紹介します。下記の内容をご覧いただきながら、対象に含まれているかどうか確認してみてください。
まず、下記の画像の通り「東京都内の中小企業等」であることが大前提となります。
上記の画像をチェックし、対象に当てはまる方は下記の画像をご覧ください。画像左の○に該当するもの以外は対象とならないため、申請することはできません。
上記までの画像に記載された内容を確認し、該当している事業者は最後に下記の確認事項をチェックしてください。
ここまでの確認が完了したら、「事前予約・交付申請」へと手続きを進めることができます。
ここでは、これから申請を行うにあたっての要件のご紹介をします。要件を満たしていない場合は申請することができないので注意しましょう。
① 中小企業基本法第2上第1項に規定する中小企業者または中小企業団体
中小企業者:株式会社、合名会社、合資会社、有限会社、個人事業主
中小企業団体:中小企業等協同組合法に基づく組合または中小企業団体の組織に関する法律に基づく中小企業団体等
② 法人が満たさなければならない要件
(ア) 申請時に東京都内に登記簿上の本店または支店があり、登記簿謄本を提出できること
(イ) 申請時に東京都内で事業を行っていること
(ウ) 申請に必要な書類(全10項目)を全て提出できること
③ 個人事業主が満たさなければならない要件
(ア) 申請時に都内税務署に「個人事業の開業届」が提出されており、その写しを提出できること
(イ) 申請時に東京都内で事業を行っていること
(ウ) 申請に必要な書類(全10項目)を全て提出できること
④ 取り組みの実施場所が次のア・イに該当していること
(ア) 申請者の本社・事業所・工場等である必要性があり、下記画像の条件も満たす必要がある
(イ) 完了検査時に実施場所で導入したソフトウェアやクラウドサービスが使用されていることと、支払いにかかる経理関係書類が揃っていること
⑤ その他注意事項を守ること
注意事項はいくつかありますが、例えば同一内容の補助金や助成金等の交付を受けていないことや、事業税等を滞納していないことなど、基本的な内容が守られているかも重要になりますので、事前に確認しておきましょう。
助成金として交付される最大金額は100万円までに設定されています。また、下限額は5万円となりますので、下限額以上であり100万円までであれば申請できます。
助成率は対象経費の2分の1以内となっており、小規模企業者は3分の2以内と決められています。
助成対象となる経費は、原則として期間内に発注または契約、取得、実施、支払いまでを完了した経費です。そのため、助成事業の実施は交付決定日の翌月1日から起算して1年を経過するまでの期間に必ず完了させておく必要があります。
この期間までに完了ができていないと認められませんので注意しましょう。
助成対象期間については、下記画像に令和4年9月下旬に交付決定した場合の例を紹介していますので、そちらも参考にしてください。
※(例)令和4年9月下旬に交付決定
中小企業デジタルツール導入促進支援事業については、対象経費が決められています。対象外となる経費が含まれていると対象外となるケースもありますので、事前にチェックしておくことが大切です。
ここでは下記に対象となる経費について紹介しているので参考にしてみてください。
① ソフトウェア導入費
新たに導入するパッケージ製品のソフトウェア、および導入に伴う初期設定やカスタマイズ、運用・保守・サポート費用
② クラウド利用費
新たに導入するパッケージ製品のソフトウェア、および導入に伴う初期設定やカスタマイズ、運用・保守・サポート費用
原則として対象経費に記載のない項目はすべて対象外となり、助成金が支払われないので注意が必要です。
ここでは具体的に対象外となる経費について下記で紹介しているので参考にしてみてください。
① ソフトウェア導入費で対象とならない経費
② クラウド利用費で対象とならない経費
③ その他経費対象外の例
申請を行うにあたって、必須となる書類が6点、その他場合によって必要になるのが4点あります。提出書類は下記の画像に記載されている通りとなっておりますので、法人が必要な書類、個人が必要な書類を必ず事前に準備しておきましょう。
① 必ず提出しなければならない書類
② 必要に応じて必要な書類
募集期間は、令和4年7月15日(金)〜8月12日(金)までです。
注意点としては、この期間までに全ての必要書類の提出をしなければならないことです。例えば書類不備などがあり、受付期間内までに揃えられなければ受け付けをしてくれません。
そのため、申請を検討している場合はできる限り早めの準備を心がけましょう。
募集期間までに必要な書類を揃え、提出をしたらその後も交付までにやらなければならないことがいくつかあります。ここでは具体的に申請完了後の流れについて紹介するので参考にしてみてください。
申請書類を提出し、不備や不足がなければ事務局により受理されます。その後、申請者が要件を満たしているかなどの審査が実施され、その審査に通過ができれば「交付決定通知書」により通知されます。
交付決定がされたら助成金が振り込まれると思われる方もいるかもしれませんが、実は交付決定後にやらなければならないこともいくつかあります。そのまま放置してしまうと交付されない事態となってしまうので注意しましょう。
交付が決定したら、次にやることとしては実績報告書の提出です。実施状況および経費支払を確認するための書類が必要になりますので、前もって準備しておきましょう。
実績報告の際の経費についてですが、支払い確認に必要な書類は複数あり、それらを準備しなければなりません。具体的には下記画像の「全経費共通の必要書類」を提出する必要があるので事前に確認しておきましょう。
上記の必要書類を提出した後、事務局により確認作業が行われます。これらの確認作業を完了検査と言います。
また、完了検査では担当者が実施場所を訪問し、購入品等の現物確認や動作確認を行うこともありますので、こういったケースにも対応できるようにしておかなければなりません。
完了検査を実施後、実績報告内容が助成対象として認められるかの確認作業が行われます。審査を実施後、どのくらいの助成金額になるかの確定が行われ、申請者に「助成金確定通知書」として通知されます。
「助成金確定通知書」が届いたら、同封されている「助成金請求書」の必要事項をできる限り早めに記入しましょう。記入が完了したら印鑑証明書を同封のうえ、指定された場所に郵送します。
請求書は期限内に提出する必要があり、万が一期限を過ぎてしまったら助成金が支払われません。ここまでの手続きが無駄になってしまうので、提出しなければならない書類等がある場合には速やかに提出しましょう。
ここまでの手続きがすべて完了したら無事に指定された口座に助成金が振り込まれます。
今回は東京都が実施している「中小企業デジタルツール導入促進支援事業」について紹介しました。主に概要から申請までの流れ、交付決定後からの流れについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
特に負担をできる限り抑えてデジタルツールの導入をしたい中小企業者等におすすめの制度となっているため、申請要件等に当てはまっているならぜひご活用ください