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ものづくり補助金
令和2年3月から通年で実施されてきたものづくり補助金は、最新の23次締切(2026年5月8日締切、8月7日採択公表)以降、2026年9月時点で次の公募の案内がありません。
代わりに、2026年6月29日から後継の新制度「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(略称:新もの補助)の第1回公募が始まっています。旧ものづくり補助金とは枠の構成や要件が変わっているので、これから申し込みを検討されている事業者は注意しなければなりません。
この記事では、2026年に申込を検討されている事業者向けに、新制度の主な変更点などを解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
ものづくり補助金とは、中小企業向けに革新的な新製品・新サービスの開発や、生産プロセスの改善などに必要な設備投資を支援するための補助金です。2026年からは、その流れをくむ新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が実施されています。
新たな商品やサービス、生産方式の導入などにはそれなりにコストが発生します。コストが大きな問題となり、なかなか踏み込むことができない事業者も多いでしょう。
しかし、補助金を活用すれば、新たな開発や事業に必要な設備投資費用の一部を支援してもらえるため、ハードルが低くなります。
補助金となるため必ずしも採択されるとは限りませんが、採択がされればコスト面の負担を減らして新たなサービスの開発などを行うことが可能となるため、できる限り活用したほうがいいでしょう。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募は、申請受付が2026年9月30日(水)に始まり、締切は2026年10月30日(金)18:00です(当初の9月30日締切から延長)。採択発表は2027年1月頃の予定です。
なお、公式サイトでは「中小企業新事業進出補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金であると案内されています。旧制度と同じつもりで準備すると要件を読み違えるおそれがあるため、変更点は把握しておくことが大切になります。
ここからは旧ものづくり補助金(23次締切)と比べた主な変更点についてご紹介するので、どの部分が変わったのか把握しておきたい方は参考にしてみてください。
旧ものづくり補助金の23次締切は「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つの枠でした。新制度では、次の3つの枠に再編されています。
革新的新製品・サービス枠は、既存の製品・サービスの生産プロセスの改善・向上を図る事業は補助対象外です。単に機械装置やシステムを導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わないものも対象にならないため、注意しましょう。
補助上限額は、枠ごとに従業員規模に応じて設定されています(カッコ内は賃上げ特例の適用時)。
革新的新製品・サービス枠は、従業員数1〜5人が750万円(850万円)、6〜20人が1,000万円(1,250万円)、21〜50人が1,500万円(2,500万円)、51人以上が2,500万円(3,500万円)で、補助下限額は100万円です。補助率は中小企業者1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)、小規模企業・小規模事業者と再生事業者は2/3です。
新事業進出枠は、従業員数1〜20人が2,500万円(3,000万円)、21〜50人が4,000万円(5,000万円)、51〜100人が5,500万円(7,000万円)、101人以上が7,000万円(9,000万円)で、補助下限額は750万円、補助率は1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)です。グローバル枠は新事業進出枠と同額で、補助率は2/3です。新事業進出枠とグローバル枠では建物費も対象経費になります。
補助事業終了後3〜5年の事業計画期間で、次の基本要件をすべて満たす必要があります。
旧ものづくり補助金23次では、一般事業主行動計画の公表は従業員21名以上の事業者が対象でした。新制度では申請にあたって一般事業主行動計画の策定・公表が必要とされており、公表手続きには1〜2週間程度かかるため早めに準備しましょう。
1人当たり給与支給総額の年平均成長率を+6.0%以上、かつ事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上にする「賃上げ特例」を満たすと、補助上限額が引き上げられます。未達の場合は、引き上げ分の全額を返還する必要があります。
また、2024年10月〜2025年9月の間で、地域別最低賃金近傍で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある事業者は、「地域別最低賃金引上げ特例」で補助率が2/3に引き上げられます(もともと補助率が2/3の事業者には適用されません)。
補助事業実施期間は、革新的新製品・サービス枠が交付決定から10か月(採択発表から12か月以内)、新事業進出枠とグローバル枠が交付決定から14か月(採択発表から16か月以内)です。
申請締切日から遡って過去3年間に、ものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を1回受けている事業者は減点されます。過去に交付決定を受けて基本要件(賃上げ要件、事業場内最賃水準要件)を達成できなかった事業者なども減点の対象です。
ここからは参考として、2022年の第10次公募から適用された変更点を振り返ります。当時は、新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)の終了、従業員規模に応じた補助上限額(5人以下750万円、6〜20人1,000万円、21人以上1,250万円)の設定、特定事業者の追加、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠の創設などが行われました。
ただし、これらの枠は23次締切では設けられておらず、新制度にも引き継がれていません。下記の画像は当時の資料なので、現在の要件は新制度の公募要領で確認してください。
引用:中小企業庁 令和3年度補正予算 ものづくり補助金の資料(現在は掲載終了)
第10次公募では、再生事業者は加点がされ、採択された場合には補助率も2/3に引き上げられていました。なお、新制度でも再生事業者は加点項目の対象で、革新的新製品・サービス枠では補助率2/3となっています。
引用:中小企業庁 令和3年度補正予算 ものづくり補助金の資料(現在は掲載終了)
回復型賃上げ・雇用拡大枠は、経営状況が厳しい事業者が賃上げや雇用の拡大に取り組むための生産性向上を支援する枠でした。
デジタル枠はDXに関する革新的な商品やサービスの開発やデジタル技術を活用した生産プロセスの改善を、グリーン枠は温室効果ガスの排出削減につながるサービス開発や炭素生産性向上に伴う生産プロセスの改善などを支援する枠でした。
引用:中小企業庁 令和3年度補正予算 ものづくり補助金の資料(現在は掲載終了)
補助金を受け取るためには、事業計画書が必須です。事業計画書を確認しながら審査を行い、加点があるかどうかの確認も行われるため、最も重要な部分とも言えるでしょう。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、事務局指定のフォーマットに事業計画を入力し、電子申請システムにアップロードする方式です。
これから申請を行うにあたって、どのように事業計画書を作成すればいいのかわからない事業者もいると思いますので、ここでは書き方のポイントについて紹介します。
採択されるためのコツとしては、審査項目を満たすことが重要です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金に関しては、特に下記の項目に注意しながら作成する必要があるため、作成前には必ず確認しましょう。
① 経営戦略との整合性(これまでの事業との一貫性、自社の強み・弱みを踏まえた競争優位性、課題の認識など)
② 事業の実現可能性(付加価値や賃上げの目標値、実施体制、顧客ニーズの裏付け、スケジュール、財務状況など)
③ 公的補助の必要性・政策面(経済波及効果や費用対効果、地域経済への貢献、国の政策にマッチしているかなど)
これらのように、①〜③については最低限意識をして作成しなければなりません。新事業進出枠では、新規事業の新市場性・高付加価値性も審査されます。項目が具体的でない、または政策にマッチしていないと判断された場合、採択される確率は低くなるでしょう。
そのため、審査項目は事業計画書を作成する前にしっかりと読んでおくことがポイントです。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金にも、加点項目が存在します。例えば、パートナーシップ構築宣言、経営革新計画、事業継続力強化計画、DX認定、健康経営優良法人2026の認定、賃上げに関する加点など、第1回公募では17の加点項目が定められています。いずれも申請締切日時点で満たしている必要があるため、必ず確認しておきましょう。
加点項目があるということは、それだけ審査時にプラス評価になるということです。採択される確率も上がるため、審査項目だけではなく加点の部分についても忘れずに確認しましょう。
事業計画書を作成するにあたって、補助事業の具体的な取り組みの内容が大切です。下記はあくまでも一例となり、公募回ごとに記載要素は変わりますが、書き方がわからない場合は下記の流れを参考にしながら作成してみてください。
① 事業の現状について(事業の状況やいままでの取り組みや実績などを具体的に記載しましょう。)
② 課題と解決策(取組内容について課題と解決策で作成することで書きやすくなります。例えば、課題に対応する解決策については箇条書きで書くなどわかりやすく説明しましょう。)
③ 実施体制やスケジュール(設備を導入するなら型番や導入時期を具体的に記載する。また、実施体制なども具体的に記載する必要があります。)
④ 市場(事業の市場やユーザーの記載を行います。補助事業によって、市場における競争力や優位性が高まることを証明しましょう。)
⑤ 事業効果(見込みについて算出根拠を示しながら、具体的なデータを用意しましょう。)
⑥ 3〜5年の事業計画(事業計画期間における会社全体の目標を具体的にデータとして出すことが大切です。)
⑦ 積算根拠(付加価値額や給与支給総額など、算出根拠を示しましょう。)
上記の流れに沿って事業計画書を作成することで全体的な流れは把握しやすくなります。作成で行き詰まった場合は参考にしながら考えてみてください。なお、事業計画は必ず申請者自身で作成する必要があり、外部の支援を受けた場合は支援者名や報酬額などを申請時に入力する必要があります。
ここでは過去にものづくり補助金が採択された事例について紹介します。どの業種で採択されているのか、採択されるための工夫について確認したい方は参考にしてみてください。
① 農業(環境制御システム導入による高糖度ミニトマトの生産効率向上への挑戦)
・自園のこだわりとビジョンを明確にした
・客観的な数値を用いて課題の解決策を示した
・将来展望は根拠のあるデータを示した
② ベンチャー企業(CNF濃縮の独自技術を活かした装置を開発)
・専門性の高い技術を知識のない方にもわかるように記載した
・審査項目を意識して、コンパクトに記載するよう心がけた
・具体的なターゲットや商談状況を詳しく記載した
③ パンの製造販売(焼きたてパンの納入及びアレルギー対応パンや地元産品を使ったパンの開発)
・学校給食の地域貢献面を記載した
・課題と事業効果を対応させた
・事業効果とガイドラインとの関連性を示した
上記の①〜③の採択事例はあくまでも過去の一例となります。それぞれ採択されるまでに工夫した内容は異なりますが、どれも革新的な商品やサービスの開発であることがわかります。採択されるまでにやったことについても記載しているので、これらを参考に事業計画書の作成をしてみてください。
※本記事の制度情報は2026年9月時点の公式情報に基づいています。最新の公募要領は各公式サイトでご確認ください。
今回はものづくり補助金の最新情報として、後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の主な変更点について紹介しました。3つの枠への再編、付加価値額要件の+4.0%への引き上げ、一般事業主行動計画の公表などの要件追加があり、補助上限額も枠と従業員規模によって異なります。第1回公募の締切は2026年10月30日18:00なので、申請する際には事前に確認しておくことがポイントです。
その他にも事業計画書の書き方や採択された事例についても紹介しました。特に採択されるためには事業計画書の書き方が重要になります。書き方について困っていることがあれば、補助金オフィスでも相談できますので、お気軽にお問い合わせください。
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