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経営力向上計画とは?税制優遇を受けられるってホント?

税制優遇

経営力向上計画とは?税制優遇を受けられるってホント?

中小企業庁は、日本の中小企業の成長と発展を支援しており、中小企業に対して様々な補助制度を設けることで、中小企業が競争力を高め、持続可能な成長が出来るよう手助けしています。今回は、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」について徹底解説します。

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経営力向上計画とは?

経営力向上計画とは、人材育成、コスト管理等のマネジメント向上や設備投資などを通して自社の経営力向上を図るために実施する計画です。認定支援機関や会計士と連携して、収益性を見込むことができる計画を申請して政府に認定された事業者は、中小企業強化税制に基づいてその計画に必要な設備の税金を減らすことが可能になります。

具体的には、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて取得した設備を、指定された事業で導入することで、即時償却または取得価格の最大10%の税額控除の税制優遇を受けることが出来ます。

経営力向上計画の対象事業者

経営力向上計画が適用される条件は以下の4つです。
・資本金もしくは出資金が1億円以下の法人
・資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用者数が1000人以下の法人
・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
・協同組合等

経営力向上計画の認定状況

経営力向上計画は、制度開始以降、多くの中小企業・小規模事業者に活用されています。

中小企業庁によると、令和8年3月31日現在、経営力向上計画の認定件数は198,184件です。認定事業者の内訳を見ると、製造業が69,032件、建設業が54,111件、卸・小売業が18,297件となっており、製造業と建設業で多く活用されていることがわかります。

出典:中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定状況について」

認定件数を見ると、製造業や建設業など、設備投資や生産性向上に取り組む企業で多く活用されていることがわかります。一方で、卸・小売業、医療・福祉業、サービス業、情報通信業などでも認定実績があり、幅広い業種で活用されている制度といえるでしょう。

ただし、中小企業庁が公表している2021年6月時点の中小企業数は336.5万者です。これに対し、経営力向上計画の認定件数は198,184件にとどまっています。集計時点や集計単位が異なるため単純比較には注意が必要ですが、おおまかに比較すると約5.9%です。 

つまり、経営力向上計画は税制優遇や金融支援などのメリットがある一方で、まだ十分に活用されていない制度ともいえます。

現在は、経営力向上計画申請プラットフォームを利用した電子申請も可能になっています。以前よりも申請の手続きは進めやすくなっているため、設備投資や経営改善を検討している事業者は、本制度の活用を検討してみるとよいでしょう。

経営力向上計画では、認定を受けた中小企業・小規模事業者に対して、中小企業経営強化税制による税制支援や資金繰りなどの支援が措置されています。

出典:中小企業庁「集計結果の概要」

経営力向上計画のメリットは?

経営力向上計画では、中小企業経営強化税制に基づいて、条件を満たした設備についての必要な書類を揃えて申請すると、法人税において①即時償却②税額控除のいずれかを選んで受けることが出来ます。

①税制

経営力向上計画の大きなメリットの一つが、税制措置を活用できる点です。

認定を受けた経営力向上計画に基づいて設備投資や事業承継等を行う場合、法人税や不動産取得税などの負担を軽減できる可能性があります。

特に設備投資を行う中小企業にとって活用しやすいのが、「中小企業経営強化税制」です。青色申告書を提出する中小企業者等が、認定を受けた経営力向上計画に基づいて一定の設備を新規取得等した場合、即時償却または取得価額の10%の税額控除を選択できます。なお、資本金3,000万円超の法人は税額控除率が7%となります。

出典:中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく 支援措置活用の手引き(令和7年度税制改正対応版)」

主な税制措置は、以下の3つです。

税制措置内容
中小企業経営強化税制認定を受けた経営力向上計画に基づいて対象設備を取得した場合、即時償却または税額控除を受けられる制度です。設備投資を行う企業にとって、税負担を抑えながら生産性向上を進めやすくなります。
事業承継等に係る不動産取得税の特例事業譲渡により、他の特定事業者等から土地・建物を含む事業用資産等を取得する場合、不動産取得税の軽減を受けられる制度です。事業承継に伴って不動産を取得する場合に活用できます。
中小企業事業再編投資損失準備金M&Aなどで株式等を取得し、事業承継等事前調査に関する事項を記載した経営力向上計画の認定を受けた場合、株式等の取得価額の一定割合を準備金として積み立て、損金算入できる制度です。

中小企業経営強化税制では、機械装置やソフトウェア、器具備品・工具、建物附属設備などが対象となる場合があります。設備の種類ごとに最低取得価額や要件が定められているため、導入予定の設備が対象になるか事前に確認することが重要です。

また、税制措置は設備取得後に申請すれば必ず受けられるものではありません。設備の種類や類型によっては、工業会等の証明書や経済産業大臣の確認書が必要になる場合があります。そのため、設備投資を検討している段階で、経営力向上計画の認定や必要書類の準備を進めておくことが大切です。

税制優遇を活用できれば、設備投資や事業承継にかかる資金負担を抑えながら、経営改善を進めやすくなります。大きな設備投資や事業承継を検討している事業者は、早めに制度の対象可否を確認しておくとよいでしょう。

②金融支援

経営力向上計画の認定を受けると、税制措置だけでなく、金融支援を活用できる場合があります。

金融支援は、設備投資や事業拡大に必要な資金を調達しやすくするための支援です。日本政策金融公庫による融資や、民間金融機関から融資を受ける際の信用保証、債務保証などが用意されています。

主な金融支援は、以下のとおりです。

金融支援内容
日本政策金融公庫による融資経営力向上計画の認定を受けた事業者が行う設備投資に必要な資金について、融資を受けられる制度です。
中小企業信用保険法の特例新事業活動やM&A等による事業承継などを行う場合に、民間金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による信用保証について、通常枠とは別枠での追加保証や保証枠の拡大を受けられる制度です。 
中小企業投資育成株式会社法の特例経営力向上計画の認定を受けた場合、通常の投資対象に加えて、資本金額が3億円を超える株式会社も中小企業投資育成株式会社からの投資を受けられる場合があります。
日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット海外支店や海外子会社が、日本政策金融公庫の提携する海外金融機関から現地通貨建て融資を受ける場合に、信用状の発行によって資金調達を支援する制度です。
日本政策金融公庫によるクロスボーダーローン海外子会社が、経営力向上計画等の実施に必要な設備資金や運転資金について、直接融資を受けられる制度です。
中小企業基盤整備機構による債務保証経営力向上計画を実施するために必要な資金について、中小企業基盤整備機構から債務保証を受けられる制度です。
食品等流通合理化促進機構による債務保証食品製造業者等が、民間金融機関から融資を受ける際に信用保証を使えない場合や、大きな資金調達が必要な場合に、債務保証を受けられる制度です。

出典:中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく 支援措置活用の手引き(令和7年度税制改正対応版)

特に活用しやすいのは、日本政策金融公庫による融資や、中小企業信用保険法の特例です。

日本政策金融公庫による融資では、経営力向上計画の認定を受けた事業者が行う設備投資に必要な資金について、融資を受けられる場合があります。また、中小企業信用保険法の特例では、新商品・新サービスなどの新しい取り組みや、M&A等による事業承継を行う際に、信用保証の別枠利用や保証枠の拡大を受けられる可能性があります。

ただし、金融支援は経営力向上計画の認定を受ければ必ず利用できるものではありません。金融機関や信用保証協会による融資・保証の審査は、経営力向上計画の認定審査とは別に行われます。

そのため、金融支援の活用を検討している場合は、経営力向上計画を提出する前に、日本政策金融公庫、信用保証協会、金融機関などの関係機関へ相談しておくことが重要です。

設備投資や事業拡大にはまとまった資金が必要になることもあります。税制措置とあわせて金融支援を活用できれば、資金繰りの負担を抑えながら、経営改善や新たな取り組みを進めやすくなるでしょう。

③法的支援

経営力向上計画の認定を受けると、税制措置や金融支援に加えて、法的支援を受けられる場合があります。

法的支援は、主に事業承継や組織再編を行う際の手続きを進めやすくするための制度です。具体的には、許認可の承継に関する特例や、組合設立時の発起人数に関する特例、事業譲渡に伴う債務引受けに関する特例などが用意されています。

主な法的支援は、以下のとおりです。

法的支援内容
許認可承継の特例事業承継等を行う内容を含む経営力向上計画の認定を受けた場合、対象となる許認可事業について、承継される側の事業者が持っていた許認可の地位を引き継げる制度です。
組合発起人数の特例事業協同組合、企業組合、協業組合を設立する場合、通常は最低4人の発起人が必要ですが、経営力向上計画の認定を受けることで3人でも設立できる制度です。
事業譲渡の際の免責的債務引受けの特例事業譲渡により債務を移転する際、一定の手続きを行うことで、債権者の個別同意を簡略化できる制度です。事業譲渡による経営資源の引き継ぎを進めやすくなります。

出典:中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく 支援措置活用の手引き(令和7年度税制改正対応版)」

許認可承継の特例では、旅館業、建設業、火薬類製造業・火薬類販売業、一般旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、一般ガス導管事業などが対象とされています。

たとえば、事業承継やM&Aによって許認可が必要な事業を引き継ぐ場合、通常であれば新たに許認可を取得し直す必要が生じることがあります。しかし、経営力向上計画の認定を受け、一定の要件を満たすことで、既存の許認可を引き継げる可能性があります。

また、事業譲渡の際の免責的債務引受けの特例では、債務の移転に関する手続きを簡略化できる場合があります。これにより、事業譲渡に伴う権利関係を整理しやすくなり、事業承継や経営資源の引き継ぎを進めやすくなるでしょう。

ただし、法的支援はすべての事業者が利用できるものではありません。対象となる事業内容や手続き、関係機関への事前相談が必要になる場合があります。そのため、事業承継や組織再編を検討している場合は、経営力向上計画の申請前に、許認可を所管する行政庁や専門家へ相談しておくことが重要です。

法的支援を活用できれば、事業承継やM&A、組織再編に伴う手続きの負担を軽減しながら、スムーズに経営改善を進めやすくなります。

経営力向上計画の認定方法は?

経営力向上計画の認定を受けるには、計画書を作成し、事業分野に応じた主務大臣へ申請する必要があります。

認定を受けることで税制措置や金融支援、法的支援などを活用できる可能性がありますが、支援措置を受けるには申請のタイミングや必要書類に注意が必要です。特に設備投資に関する税制優遇を受ける場合は、設備取得前に認定を受けることが原則となります。

ここでは、経営力向上計画の認定申請を進めるうえで押さえておきたい「申請期限」と「必要書類」について解説します。

①認定申請の期限

経営力向上計画の認定申請そのものに、明確な申請期限が設けられているわけではありません。

ただし、税制措置や金融支援などを受けたい場合は、申請のタイミングに注意が必要です。特に設備投資に関する税制優遇を受ける場合は、原則として、設備を取得する前に経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

中小企業庁の手引きでも、経営力向上設備等については、経営力向上計画の認定後に取得することが原則とされています。例外として、経営力向上計画の申請前に設備を取得する場合でも、設備取得日から60日以内に申請書が行政庁へ到達している必要があります。

また、税制措置の適用を受けるには、設備を取得して事業の用に供した事業年度内に認定を受ける必要があります。事業年度を過ぎてから認定を受けた場合、税制優遇を受けられない可能性があるため注意が必要です。

そのため、設備投資や事業承継などを検討している場合は、設備の取得や契約を進める前に、経営力向上計画の認定申請を進めておくことが重要です。申請内容の確認や必要書類の準備にも時間がかかるため、余裕を持って手続きを進めましょう。

出典:中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく 支援措置活用の手引き(令和7年度税制改正対応版)」

②認定申請の必要書類 

経営力向上計画の認定申請では、基本となる申請書類に加えて、受けたい支援措置に応じた追加書類が必要になります。

主な申請書類は、以下のとおりです。

書類内容
経営力向上計画に係る認定申請書経営力向上の目標や取り組み内容、実施期間、導入予定設備などを記載する基本書類です。
申請書の写し都道府県に提出する場合など、提出先によって必要になる場合があります。
チェックシート申請内容に不備がないか確認するための書類です。電子申請の場合は不要となる場合があります。
返信用封筒紙で申請する場合に必要です。経営力向上計画申請プラットフォームで電子申請する場合は、認定書をシステム上でダウンロードできるため不要です。
工業会等による証明書の写し中小企業経営強化税制のA類型を活用する場合に必要です。
投資計画の確認申請書の写し中小企業経営強化税制のB類型・D類型・E類型を活用する場合に必要です。
経済産業局の確認書の写し中小企業経営強化税制のB類型・D類型・E類型を活用する場合に必要です。
事業承継等に関する資料事業承継等に係る支援措置を受ける場合、契約書や誓約書、事業承継等事前調査チェックシートなどが必要になる場合があります。

出典:中小企業庁「経営力向上計画 策定の手引き」

まとめ

経営力向上計画は、中小企業が新たな設備投資を通じて生産性を向上させ、経営力を強化するための非常に有効な手段です。申請手続きは複雑に思えるかもしれませんが、補助金申請代行会社を利用することで、申請採択率を高め、スムーズに進めることができます。ぜひ、この制度を活用して、企業の成長を加速させましょう。


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会社名株式会社Essencimo
代表取締役杉田龍惟
設立日2019/04/15
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