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ものづくり補助金事例紹介
【目次】
事業者が活用できる補助金にはさまざまな種類がありますが、その中でも注目されてきた一つに「ものづくり補助金」というものがあります。2026年は、その後継の新制度として「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(略称:新もの補助)の第1回公募が行われています。
美容室を経営されている方の中には、「うまく補助金を活用して設備投資の負担を軽減させたい」と考えている方も多いでしょう。
ものづくり補助金と聞くと、物を作ったり開発したりする企業が対象であり、美容室には関係ないのではないかと諦めてしまうケースも多いかと思います。
しかし、ものづくり補助金は製造業だけが対象ではなく、サービス業を含む幅広い業種で活用することができます。
美容室での採択事例もありますので、新しいサービスの開発や設備の導入を考えている事業者は活用について検討してみてはいかがでしょうか。ただし、後継の新制度では要件が変わっているため注意が必要です。
今回は、2026年9月時点の制度の概要や、どのような美容室が採択されてきたか、活用する際の注意点について解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
弊社では補助金の申請サポートを行っています。初回相談は無料ですので、是非お気軽にお問い合わせください。

ものづくり補助金とは、中小企業等が行う革新的な製品・サービスの開発などに必要な設備投資に関して、その一部を補助金として支援してもらうための制度です。最新の23次締切(2026年8月7日採択公表)以降は次の公募の案内がなく、2026年9月時点では後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が申請先になります。
第1回公募の申請受付は2026年9月30日に始まり、締切は2026年10月30日18:00、採択発表は2027年1月頃の予定です。規模が大きな補助事業ですが、企業だけが対象ではなく小規模事業者や個人事業主でも活用することができます。
美容室を経営されている方の中には、小規模事業者や個人事業主なども多く含まれているかと思いますが、こういったケースでも条件を満たしていれば利用することが可能です。
ここでは新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の対象者や補助額、申請要件について詳しく説明するので、美容室で活用したいとお考えの経営者は参考にしてみてください。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の対象者は、中小企業者・小規模事業者等です。個人事業主も含まれており、条件が揃っていれば活用できます。
中小企業者に当たるかどうかは、業種ごとの資本金または常勤従業員数で判断します。主な業種の基準は下記のとおりです。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
| 製造業、建設業、運輸業、その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
| ゴム製品製造業(一部を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
美容室はサービス業となりますので、資本金5,000万円以下または常勤従業員数100人以下であれば中小企業者に当たります。さらに、商業・サービス業で常勤従業員数が5人以下の場合は小規模事業者となり、革新的新製品・サービス枠では補助率が2/3になります。
ただし、応募申請時点で従業員数が0名の事業者は対象外です。オーナー1人で営業している美容室は申請できない点に注意しましょう。
開業時に利用できる補助金・助成金についてはこちらで紹介しています。併せてご覧ください。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金には、「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つの枠があります。旧ものづくり補助金にあった通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠などは現在ありません。
美容室のケースでは、新しい施術メニューやサービスを開発するなら革新的新製品・サービス枠、これまでとは異なる顧客層に向けた新事業に進出するなら新事業進出枠が候補になります。どれに当てはまるのか検討してから申請をしましょう。
具体的な補助額と補助率については下記の表で詳しく紹介していますので、そちらを参考にしてみてください(カッコ内は賃上げ特例の適用時)。
| 事業類型 | 概要 | 補助上限 | 補助率 |
| 革新的新製品・サービス枠 | 革新的な新製品・新サービス開発の取組を支援(既存の製品・サービスの生産プロセス等の改善は対象外) | 従業員1〜5人:750万円(850万円) 6〜20人:1,000万円(1,250万円) 21〜50人:1,500万円(2,500万円) 51人以上:2,500万円(3,500万円) | 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3) 小規模・再生事業者は2/3 |
| 新事業進出枠 | 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援 | 従業員1〜20人:2,500万円(3,000万円) 21〜50人:4,000万円(5,000万円) 51〜100人:5,500万円(7,000万円) 101人以上:7,000万円(9,000万円) | 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3) |
| グローバル枠 | 海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化を支援 | 新事業進出枠と同額 | 2/3 |
補助下限額は、革新的新製品・サービス枠が100万円、新事業進出枠とグローバル枠が750万円です。革新的新製品・サービス枠は、単に機械装置やシステムを導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わないものは対象外です。また、同業の中小企業者等(地域性の高いものは同一地域の同業他社)ですでに相当程度普及している新サービスの開発も該当しないとされています。
申請するにあたって、従業員数や資本金などが規定された数値以下でなければならないとお話しましたが、その他にも満たしていないといけない要件があります。ここでは美容室が特に押さえておきたい要件を紹介します。
美容室で補助金を活用するためには、申請前の段階ですでに創業していることが前提となります。申請時には、法人であれば決算書(直近3期分)、個人事業主であれば青色申告決算書などを添付します。
新規設立・創業後1年に満たない事業者は、新事業進出枠には申請できません。革新的新製品・サービス枠とグローバル枠では、創業後1年未満でも履歴事項全部証明書(法人)や開業届(個人事業主)などを添付して申請できます。いずれにしても、まずは創業していることが大前提となります。
重要なポイントとしては、賃上げを含む事業計画を策定しなければならないことです。また、ただ単に賃金を引き上げるための計画をするだけではなく、補助事業の完了を待たずに行う「足下の賃上げ」について、採択後から交付決定までの間に従業員へ表明することが必須とされています。
詳しくは公募要領に記載されていますが、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間で、主に下記の要件を満たすことが重要となりますので必ずチェックしておきましょう。
・付加価値額の年平均成長率+4.0%以上の増加
・1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上の増加
・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
・一般事業主行動計画の公表、子育て等に関する職場環境整備の取り組み
給与支給総額などの目標を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められることがあります。人件費の比率が高い美容室では、無理のない賃上げ計画になっているかを慎重に検討しましょう。
過去の補正予算で示されたものづくり補助金などの制度に関する情報はこちらにまとめていますので、あわせてご覧ください。
公募要領等、第1回公募の最新の内容については下記公式サイトより確認できるので参考にしてみてください。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)
美容室で補助金を活用することは可能ですが、どのような設備でも購入していいかというとそうではありません。対象となる経費とそうでない経費があるため、必ず事前にチェックしておくことが大切です。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の対象経費は、下記のとおりです。
・機械装置・システム構築費(革新的新製品・サービス枠では必須)
・建物費(新事業進出枠・グローバル枠のみ)
・運搬費
・技術導入費
・知的財産権等関連経費
・外注費
・専門家経費
・クラウドサービス利用費
・原材料費
・広告宣伝・販売促進費
・海外旅費、通訳・翻訳費(グローバル枠のみ)
上記の中でも美容室で活用しやすい経費については、「機械装置・システム構築費」や「広告宣伝・販売促進費」、「クラウドサービス利用費」などがあげられるでしょう。
例えば機械装置・システム構築費については、新しいサービスの開発のために専ら補助事業で使う設備を導入する際に経費として認めてもらうことができます。広告宣伝・販売促進費は、事業計画期間1年当たりの新サービスの売上高見込み額の5%が上限です。
また、専門家経費は補助対象経費総額の5分の1が上限で、謝金は専門家の区分に応じて1日2万〜5万円以下とされています。なお、事業計画書の作成支援者に対する経費は対象外です。
ただし、下記のような経費については認められていません。対象外の経費についてもしっかりと確認しておきましょう。
・既存事業にも使う設備など、専ら補助事業のために使用されると認められない経費
・店舗の家賃、保証金、敷金、水道光熱費等
・汎用性の高い事務用のパソコン、スマートフォンやタブレット、家具家電などの購入
・補助事業実施期間の終了時点で使い切れていない原材料など
対象外となっている物を購入してしまうとすべて実費で対応しなければならなくなるため、せっかく補助金で採択されたのに意味がないものとなってしまいます。補助金をうまく活用するためには対象経費と対象外の経費についても予め調べておくことが大切です。
ここでは美容室に関連する、過去のものづくり補助金の採択事例についていくつか紹介します。
過去には下記のような事例がありましたので、事業計画を考える際の参考にしてみてください。
・美容室のサービスにおける予約システムや営業管理システムの構築
・最新の設備を導入し、美容院だけではなくトータルビューティの提供へと転換
・美容業界初の細粒な霧を噴霧するスプレーヤーの成形の初の国産化
ただし、新制度の革新的新製品・サービス枠では、既存サービスの提供プロセスの改善や、単なる設備・システムの導入は対象外です。予約システムの導入のような取り組みは、それだけでは対象にならない可能性があります。新しい施術やサービスの開発、あるいは新たな顧客層に向けた新事業への進出として計画を組み立て、審査員に魅力が伝わる事業計画を作成しましょう。

ものづくり補助金とその後継制度は比較的規模が大きく、注目度も高いので申請する企業がたくさんいます。参考として、旧ものづくり補助金の23次締切では申請者1,275者のうち採択は448者でした。ただ単に申請書を記入して提出するだけでは採択は難しいのが現状です。
ここでは採択されるために必要な重視したいポイントについて紹介するので参考にしてみてください。
補助金に限らずですが、採択か不採択を分けるポイントと言われているのが事業計画書です。例えばただ単に補助金を活用して設備を導入したいだけではなかなか採択されるのは難しいでしょう。
審査では、経営戦略との整合性、顧客ターゲットやニーズの裏付け、付加価値や賃上げの目標の実現可能性などが見られます。どのような取り組みを行い、進めていくことで事業がどのように成功するのか、具体的な内容を盛り込むことが大切です。
採択されるためには説得力のある事業計画に仕上げる必要があるため、この部分は相当な時間をかけて作成することが大切です。パートナーシップ構築宣言や経営革新計画など、申請締切日までに取得できる加点項目がないかも確認しましょう。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、事業計画は必ず申請者自身で作成する必要があります。そのうえで、検討やブラッシュアップのために認定支援機関などの専門家から助言を受けることは認められています。
専門家の助言を受けるメリットとしては、補助金申請におけるポイントや審査項目を熟知しているため、計画の弱い部分に気づきやすいということです。支援を受けた場合は、支援者名・支援内容・報酬額・契約期間を申請時に入力する必要があります。
せっかく申請するなら早い段階で採択されたいと考えている方が多いかと思いますので、美容室を経営されている方で自信がないという方がおられましたら専門家への相談についても検討してみてください。
※本記事の制度情報は2026年9月時点の公式情報に基づいています。最新の公募要領は各公式サイトでご確認ください。
今回は美容室でも活用できるものづくり補助金とその後継制度である新事業進出・ものづくり商業サービス補助金について紹介しました。補助額の規模が大きく、新サービスの開発や新事業への進出に必要な設備導入などに活用できる補助金です。第1回公募の締切は2026年10月30日18:00です。
一方で、従業員0名の事業者は対象外で、既存サービスの改善や単なる設備導入は対象になりにくいなど、要件は厳しくなっています。美容室で活用できる補助金をお探しの方は、販路開拓などに使える小規模事業者持続化補助金(一般型 第20回は2026年11月5日〜12月15日17:00受付予定)なども含めて検討してみてください。
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