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ものづくり補助金事例紹介
事業者が活用できる補助金にはさまざまな種類がありますが、その中でも注目されている一つに「ものづくり補助金」というものがあります。
美容室を開業したいと思われている方の中には、「うまく補助金を活用して負担を軽減させたい」と考えている方も多いでしょう。
ものづくり補助金と聞くと、物を作ったり開発したりする企業が対象であり、美容室には関係ないのではないかと諦めてしまうケースも多いかと思います。
しかし、ものづくり補助金は物を作る企業が対象ではなく、幅広い業種で活用することができるのです。
美容室であっても採択事例が多数ございますので、美容室の開業や設備を導入したいと思われている事業者はぜひ活用について検討してみてはいかがでしょうか。
今回は、具体的にものづくり補助金の概要や、どのような美容室が採択されているか、活用する際の注意点について解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
ものづくり補助金とは、中小企業等が行う革新的なサービスの開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資に関して、その一部を補助金として支援してもらうための制度です。
規模が大きな補助事業となりますが、企業だけが対象ではなく小規模事業者や個人事業主でも活用することができます。
美容室を経営されている方の中には、小規模事業者や個人事業主なども多く含まれているかと思いますが、こういったケースでも条件を満たしていれば問題なく利用することが可能です。
ここではものづくり補助金の対象者や補助額、申請要件について詳しく説明するので、美容室で活用したいとお考えの経営者は参考にしてみてください。
先程も少し紹介しましたが、ものづくり補助金の対象者については中小企業・小規模事業者等となっています。小規模事業者等の中には個人事業主も含まれており、条件が揃っていれば問題なく活用できます。
ただし、ものづくり補助金の対象者になるためには、下記の資本金や従業員数に当てはまる事業者が対象となりますので、そちらは申請前に確認しておく必要があります。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
ゴム製品製造業 | 3億円以下 | 900人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
その他サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
上記が主な対象者となりますが、美容室に関してはサービス業となりますので、資本金と従業員数が記載されている数字以下であればものづくり補助金を活用できます。
基本的に対象者はそれほど厳しい条件とはなっていないため、ほとんどの美容室で利用することが可能でしょう。
ものづくり補助金には、一般型やグローバルビジネス展開型など幅広い分類に分けられています。どの類型で申請するべきか悩む方もいるかと思いますが、美容室のケースでは一般型で申請する方がほとんどです。
また、一般型の中にも通常枠、回復賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠などに分けられていますので、どれに当てはまるのか検討してから申請をしましょう。
具体的な補助額と補助率については下記の表で詳しく紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。
事業類型 | 概要 | 補助上限 | 補助率 |
一般型 | 通常枠 (新製品・新サービス開発・生産性プロセスの改善に必要な設備投資および試作開発を支援) | 750万円〜1,250万円 | 1/2 小規模・再生事業者は2/3 |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 (業況が厳しい事業者であり、賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的なサービス開発などに必要な設備・システム投資等を支援) | 750万円〜1,250万円 | 2/3 | |
デジタル枠 (DXに資する革新的な製品・サービス開発または生産性プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援) | 750万円〜1,250万円 | 2/3 | |
グリーン枠 (温室効果ガスの算出削減に資する革新的な製品・サービスの開発または炭素生産性向上に伴う生産性プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援) | 1,000万円〜2,000万円 | 2/3 |
ものづくり補助金を申請するにあたって、従業員数や資本金などが規定された数値以下でなければならないとお話しましたが、その他にも申請するにあたって満たしていないと行けない要件があります。大きく分けると3つの要件がありますので、詳しく紹介します。
美容室でものづくり補助金を活用するためには、申請前の段階ですでに創業していることが条件となります。例えば中小企業であれば法人番号が必要になりますし、個人事業主であれば設立日等の記入が必要です。
創業前の段階ではこれらの番号や日付を記入することができませんので、まずは創業していることが大前提となります。
ものづくり補助金を活用するにあたって重要なポイントとしては、賃金引上げ計画書を策定しなければならないことです。また、ただ単に賃金を引き上げるための計画をするだけではなく、その計画を従業員に表明することが大前提です。
詳しくはものづくり補助金の公募要領を確認することで記載されていますが、主に下記の要件を満たすことが重要となりますので必ずチェックしておきましょう。
・付加価値額の年率平均3%以上の増加
・給与支給総額の年率1.5%以上の増加
・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上アップ
公募要領等、13次締切分の最新の内容については下記公式サイトより確認できるので参考にしてみてください。
・13次締切(公募要領):https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
美容室でものづくり補助金を活用することは可能ですが、どのような設備でも購入していいかというとそうではありません。ものづくり補助金には対象となる経費とそうでない経費があるため、必ず事前にチェックしておくことが大切です。
ものづくり補助金の対象経費については、下記のリストに詳しく紹介しています。
・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・原材料費
・外注費
・知的財産権等関連経費
・海外旅費
上記が主な対象経費となりますが、ここの中でも美容室で活用しやすい経費については、「機械装置・システム構築費」や「専門家経費」、「クラウドサービス利用費」などがあげられるでしょう。
例えば機械装置・システム構築費については、これまでにない革新的な最新設備を導入する際に経費として認めてもらうことができます。
また、専門家経費についても1日5万円以下の経費が認められていますので、活用することで専門家にしかできないことをすべて任せられます。
ただし、下記のような経費についてはものづくり補助金で認められていません。対象外の経費についてもしっかりと確認しておきましょう。
・製作や開発にかけた自社人経費等
・補助事業と関係のない運搬料や郵送料
・汎用性の高いスマートフォンやタブレットの購入
・補助期間中に使い切ることができない原材料など
対象外となっている物を購入してしまうとすべて実費で対応しなければならなくなるため、せっかく補助金で採択されたのに意味がないものとなってしまいます。補助金をうまく活用するためには対象経費と対象外の経費についても予め調べておくことが大切です。
<h3>美容室におけるものづくり補助金の採択事例</h3>
ここでは美容室におけるものづくり補助金の採択事例についていくつか紹介します。ものづくり補助金は革新的なサービスの開発などと記載されているため、他にはない設備を導入しなければならないと考える方も多いでしょう。しかし、実際にはそんなことはなく、比較的新しい技術や設備などであれば採択されることもあります。
具体的には下記が採択事例となっていますので、そちらも参考にしながら事業計画書の策定などを行ってみてください。
・美容室のサービスにおける予約システムや営業管理システムの構築
・最新の設備を導入し、美容院だけではなくトータルビューティの提供へと転換
・美容業界初の細粒な霧を噴霧するスプレーヤーの成形の初の国産化
など、上記以外にもさまざまな美容室が採択されています。採択されるためには事業計画書が大切となり、審査員が魅力的に感じてもらえるような作成を心がけましょう。
ものづくり補助金は比較的規模が大きく、注目度も高いので申請する企業がたくさんいます。その中で採択をされるためにはただ単に申請書を記入して提出するだけでは難しいのが現状です。
ここでは採択されるために必要な重視したいポイントについて紹介するので参考にしてみてください。
ものづくり補助金に限らずですが、採択か不採択を分けるポイントと言われているのが事業計画書です。例えばただ単に補助金を活用して設備を導入したいだけではなかなか採択されるのは難しいでしょう。
採択されている方は10ページ程度の事業計画書を作成し、さらにその中でもどのような取り組みを行い、進めていくことで事業がどのように成功するのかなど具体的な内容が盛り込まれています。
採択されるためには説得力のある事業計画書に仕上げる必要があるため、この部分は相当な時間をかけて作成することが大切です。
補助金で採択されている多くの企業は、自社のみで対応するのではなく認定支援機関など専門家に依頼しています。
専門家に依頼するメリットとしては、事業計画書の策定を行ってくれるだけではなく、補助金申請におけるポイントを熟知しているので、採択される確率が高いということです。
せっかく申請するなら早い段階で採択されたいと考えている方が多いかと思いますので、美容室を経営されている方で自信がないという方がおられましたら専門家への依頼についても検討してみてください。
今回は美容室にも活用できるものづくり補助金について紹介しました。補助額の規模が大きく、設備導入やシステム構築などにも活用できる補助金なので幅広い業界から人気があります。
特に最近では美容室での利用も目立つようになり、採択事例も多く出されているので美容室で活用できる補助金をお探しの方はものづくり補助金についても検討してみてください。
補助金オフィスでは、補助金申請サポート業務を行なっています。こちらからお気軽にお問い合わせください。