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《医療崩壊》防止活動支援プログラムとは?全体概要をご紹介します

コロナ禍において医療崩壊の危機が叫ばれるようになりました。このような状況の中で医療崩壊を防ぐためのさまざまな試みがなされています。そんな制度の1つとして注目されているのが『医療崩壊』防止活動支援プログラムです。医療関係者の中には申請を検討している人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では『医療崩壊』防止活動支援プログラムについて詳細や申請のポイントなどをまとめました。

1.『医療崩壊』防止活動支援プログラムとは?

『医療崩壊』防止活動支援プログラムとは何なのか基本的な点について説明しましょう。

1-1.概要

『医療崩壊』防止活動支援プログラムはYahooが実施しているYahoo!基金が行っている助成プログラムの1つです。Yahooは持続可能な社会の実現に寄与するためにYahoo!基金を立ち上げており、これまでに多くの助成プログラムを展開してきました。そして、コロナ禍における医療崩壊を食い止めるために『医療崩壊』防止活動支援プログラムを実施しています。医療機関の中でも自宅療養者への訪問診療やワクチン接種、転院患者の受け入れを行っている医療機関をサポートしているのが特徴です。

この助成プログラムは、コロナの治療に取り組んでいる医療機関の体制強化を支援することが目的です。2021年の11月11日からは第10回の申請受付がスタートして、これまでに多数の医療機関が応募しています。実際に助成金の支払いを受けて助かったという声はたくさんあり注目されている支援制度です。

1-2.申請対象者

『医療崩壊』防止活動支援プログラムは下記のいずれかを行っている医療機関に限定されています。

  • コロナ感染者の治療
  • 転院患者や発熱患者の受け入れ
  • 自宅療養者に対する訪問診療
  • PCR検査やワクチン接種

また、上記の医療行為を行っていて、なおかつ下記の要件を満たしている必要があります。

  • 日本国内に所在している
  • 開業して1年以上の実績がある
  • 反社会的勢力に該当しない、関わっていない

申請は病院ごとに行う必要があるため、複数の病院でまとめて申請することはできません。法人格は問わないため個人事業主であっても申請することは可能です。すでに他の助成金や給付金、補助金を受けていたとしても利用できます。

1-3.補助対象経費

『医療崩壊』防止活動支援プログラムでは補助対象となる活動の例が示されています。下記のような経費について対象となっているのです。

  • 医療従事者に対する人件費や採用費
  • 医療従事者が利用したメンタルケアサービスや休憩のための環境整備の費用
  • 院内の感染対策
  • 医療機器や医療用品の購入

たとえば、復職しやすくするための一時手当の支給も対象活動に含まれています。院内感染の対策については、消毒清掃費から設備工事まで対象です。人工呼吸器や検査機器、医療用防具の購入費用なども含まれます。直接雇用していない派遣職員などの人件費も対象です。

これらの費用については、応募時に見積書やURLなどを提出して算出根拠を示す必要があります。また、採用された後にはすべての支出について領収書を送付する義務があります。

ただし、上記はあくまでも参考例であり、実際に対象となるかどうかは審査で判断されます。物品に関しては助成対象期間内に調達できることが条件です。何が対象となるのか個別に問い合わせをしても答えてもらえないため注意しましょう。

申請書のファイルには助成金費目説明の項目があり、助成金の取扱区分表が記載されています。細かな点についてはそちらをチェックしましょう。

1-4.補助額や補助率

助成金額については1団体につき助成額上限が100万円です。また、助成総額は3,000万円まで採択となっており、助成総額に達すると本プログラムが終了するため注意してください。

1-5.申請期限

第10回については申請受付が2021年11月1日から2021年11月30日までです。その後、2021年12月20日に結果が連絡されます。実際に助成金が振り込まれるのは2021年12月28日が予定です。報告書の提出は2022年4月30日となっています。

申請期限内に申請書類を提出すると書類審査が行われ助成可否が決定されるという流れです。ただし、審査をしている間にメールや電話によるヒアリングが実施されることがあります。そこできちんと質問に答えないと採用されない可能性があるため注意しましょう。審査の進捗状況によっては上記のスケジュール通りに進まないこともあります。

1-6.申請に必要な書類

『医療崩壊』防止活動支援プログラムを申請するためには下記の書類を用意しましょう。

  • 所定の申請書
  • 定款、会則、規約、病院開設許可書のいずれか
  • 2020年度の財務諸表あるいは確定申告書
  • 見積書あるいは納品書

所定の申請書は、『医療崩壊』防止活動支援プログラムのページにアクセスすればダウンロードできます。2020年度の財務諸表とは賃借対照表や財産目録、収支報告書などのことです。見積書や納品書については、Web上で金額をチェックできない物品などについて提出する必要があります。

1-7.助成を受ける際に守るべき義務

『医療崩壊』防止活動支援プログラムに採用された後で守るべき義務はたくさんあります。基本的には下記の点をしっかりと守ってください。

  • 申請内容通りに活動する
  • 助成を受けたことをウェブサイトなどで外部公表する
  • 具体的な活動内容についてウェブサイトなどで発信する
  • 残額が生じたときにはすぐに返金する
  • 活動終了後に領収書と活動報告書を提出する
  • 助成金の使途を変更したいときには事前に相談をする

締切日を守ることも大切な義務です。もし期日までに必要書類の提出がない場合には辞退したとみなされます。また、採択された場合は、助成を受けた事実から活動内容まできちんと公表することが義務です。Yahoo!基金の方で活動の進捗についてチェックが入ることもあります。きちんとルールを守って利用する必要があるのです。

2.『医療崩壊』防止活動支援プログラムの取り消しについて

『医療崩壊』防止活動支援プログラムの助成が決定して実際に助成金が交付されたとしても、後で助成が取り消されて助成金の返還を求められる場合があります。下記に該当する場合は助成の取り消しとなるため注意しましょう。

  • 最終提出期限までに報告書を提出しない
  • 助成を受けたことをウェブサイトなどで報告・公表しない
  • 申請や報告内容に虚偽の記載があった
  • 助成金の対象外の活動に助成金を利用した
  • その他、Yahoo!基金が不適当であると判断する事象が発見された

厳粛なルールのもとで実施されているプログラムであり、きちんと義務を果たす責任が求められています。そのため、軽い気持ちで申請をするべきではなく、最後までルールを守って助成金を利用する必要があるのです。

3.『医療崩壊』防止活動支援プログラムのよくある疑問と回答

『医療崩壊』防止活動支援プログラムに関してよくある質問への回答を紹介します。

3-1.助成決定後に購入することができるのか?

『医療崩壊』防止活動支援プログラムの助成が採択された後で設備や備品などの購入をすることは可能です。ただし、条件として助成期間内に納品されることがルールとされています。もし、助成期間内に納品されない場合は助成金の対象外となり助成金を返金する必要があるのです。そのため、助成金で購入したいものがあるならば、あらかじめ期間内に調達可能であるか確認しましょう。

3-2.Web上で報告や公表をする手段がない場合はどうすればいいのか?

『医療崩壊』防止活動支援プログラムは採択後にWeb上で助成金を受け取った事実を報告・公表することが義務付けられています。そのため、ホームページやSNSなどを持っていない医療機関は助成対象外です。これから申請を検討しているならば、ウェブ上で報告できる手段を用意しましょう。ホームページがなくても医療機関名義のSNSがあれば代用可能です。

3-3.申請はメールや郵送で行えるのか?

『医療崩壊』防止活動支援プログラムへの申請は公式ページ上に申請フォームが用意されており、そちらで必要事項を入力して書類を添付することで行います。そのため、申請フォームでの申請以外の方法で申請することはできません。

4.『医療崩壊』防止活動支援プログラムの利用事例

これまで多くの医療機関が『医療崩壊』防止活動支援プログラムに採択されています。それぞれの医療機関ごとに助成金の活用例は異なっています。どのような事例があるのか紹介しましょう。

4-1.院内感染対策

助成を受けて下記のような院内感染対策を実施した医療機関があります。

  • リモート面会
  • リモート会議化

こちらのケースでは入院患者と家族をつなぐためのリモート面会を実現しています。コロナ禍では入院患者に対する面会を制限する必要があるからです。極力、面会の回数を減らしてもらうためにリモート面会の設備環境を整えるのは、院内感染対策として効果的であり助成対象に含まれます。こちらの事例では、すべての病棟にモバイル端末のタブレットを設置することでリモート面会を可能にしました。

さらに、こちらの医療機関ではリモート会議化の実施のためにも助成金を活用しています。院内における重要会議をリモート会議で行うことで大勢の人が閉鎖空間に集まるのを防ぎ、コロナの感染リスクを軽減しているのです。

4-2.手洗い装置の設置

助成金を活用して手洗い装置を設置したという事例があります。感染患者に対して手術を行う際には頻繁に手洗いをする必要があるのです。そのための設備を手術室に設置したケースがありました。これは助成金の趣旨に適しているため、審査で認められたのです。

4-3.多目的空気清浄機の購入

多目的空気清浄機の購入に助成金を活用した事例があります。陽性か陰性の判断ができない患者に対して主に使っているとのことです。患者と職員がコロナに感染するのを防ぐために活躍しています。

4-4.人工呼吸器の購入

助成金を活用して人工呼吸器を購入したというケースがあります。感染患者を治療する際には人工呼吸器は必要不可欠です。コロナ患者を積極的に受け入れるためには既存の設備だけでは対応できないため、助成金で新たに人工呼吸器を追加購入したとのことです。

5.まとめ

コロナ禍で医療機関は特別な対策を取ることが求められています。そのためにはお金がかかるため、その費用を助成することを目的として『医療崩壊』防止活動支援プログラムが実施されているのです。申請には要件が定められており、さまざまな義務が課せられます。上手く助成金を活用できれば、コロナ対策を進めて、医療崩壊を防げるでしょう。コロナ対策として医療機関の環境整備を検討しているならば、『医療崩壊』防止活動支援プログラムへの申請を検討してみましょう。